
KORI-SHOW PROJECT
CATEGORY SS 2021 TOKYO COLLECTION
02:51
KORI-SHOW
PROJECT
SPRING/SUMMER
2021COLLECTION
“うつつ”
Artificial Intelligence for KIMONO
Series 1 “Shape”
Through
Past and Present
“うつつ=現つ/虚つ“
かつての日本のあたりまえの暮らしは、着物と共にあった。
長い時間を積み重ねて、日本人に合う寸法と作りやすさを熟考し、
合理的に作られた着物は、余すところなく
何年も使い続けられるエコロジーな魅力を備える一方で、
ただの”着る物”という文字通り
羽織って結べば誰でも纏える、とても簡単な装いだった。
そんな装いに礼法に基づく
細かなルールが加えられたのは、戦後のこと。
少しでも高価な着物を販売する手段として厳格なルールが定められ、
ただの”着る物”から大袈裟な”着物”へと人為的に変えられてしまい、
欧米のファッションの台頭も相まって、
今の暮らし(=ケ)とは異なる、
特別な日(=ハレ)の為の装いになってしまっている。
パターンやデザインに大きな変化もなく
千年以上も日本の暮らしに寄り添ってきた着物が、
たった数十年で自分たちの日常から掛け離れてしまった要因は
単に生活の変化だけでは無いはずだ。
かつての呉服業界が論語をおざなりにし、
算盤を取るため投じた”特別な装い”という
”ムード”の影響はとても色濃く我々の前に横たわっていて。
頭では理解している自分自身でさえも、
伝統装束といった、ヒストリーの価値を理解しても、
素材/製法といった、モノの価値を理解しても、
“肉で着る”西洋の服とは異なり、”骨で着る”思想の価値を理解しても、
まだ、日常で着れないでいる。
しかし、
もしもそんな”ムード”を払拭し、
かつての時代の装いとシームレスに繋げられたら。
自分たちの暮らしに、
どんな美しい”佇まい”が宿っているんだろう。
そんな妄想を現実に変えていくために。
まずは着物にはびこる謂れのない”ムード”を払拭するために。
今と昔の着物の”佇まい”を可視化する為の映像作品を製作した。
コレクションの舞台は、
茶室を起源とし、現代の住まいにも通じる四畳半の部屋の中。
この部屋を舞台に、
芸者/モデルが髪を結わえ、着替え、日々を暮らす佇まいを、
ヘアメイク/フィッティング/コレクションに見立て、ショーとして表現する。
着物は、シワが気にならない縮緬調の絹/麻混のオーガニックコットンを
対丈で仕立てたルームウェアとしての着物”YOGI”。
伝統図案を現代的なコンセプトで再解釈したユニークな絵柄は、
京都の老舗染工場で手捺染で丁寧に施している。
この”YOGI”に合わせた個性的な洋服は、
文化服装学院の資料室から特別に拝借した、
日本独自のファッションが台頭した70年代〜現代までの
錚々たる日本人デザイナーのvintageアイテム。
着物が当たり前に存在し続けている世界線に想いを馳せ、
時代に応じたトレンドがシームレスに繋がるようコーディネートした。
着物が当たり前に存在した、過去の所作を表現するモデルは
日本で最大の流派を誇る日本舞踊花柳流師範、”花柳凛”。
着物に全く触れていない、今の所作を表現するモデルは
現代のアイコン、”モトーラ世理奈”。
それぞれの時代に応じた2人の所作を
(別の世界線として断絶することなく)
今と地続きに繋げるため、
”Ittan”のディレクションによるAI(機械学習)で両者をシームレスに接続した。
この接続は映像効果としての表現(=モーフィング)では無く、
事実を客観的に捉えるAI(機械学習)が可視化した接続の様子であり、
過去も今も変わらない着物の”佇まい”の魅力が宿っている。
世界的な脅威であるCOVID-19の拡大により、
大きくファッションも変容した。
新しさを求め、速さを競い、短期的な消費を過剰に促す
ファスト・ファッションの時代はとうに終わり、
社会を形成する様々な物事を長期的な視座で捉える、
サスティナビリティが重視される昨今。
今こそ過去を見つめ直し、伝統文化を持続可能にする、
ファッションの可能性に手を伸ばしたいと思う。
いつだって過去は”前”にある。
Fashion Direction: Sota Yamaguchi
AI Direction/Spatial Architect: ittan
Movie Direction: maxilla
Still Photograph/Lighting: toki
Music: Moeka Shiotsuka
Model(Past): Rin Hanayagi
Model(Present): Serena Motola
Hair Styling & Makeup: Hirofumi Kera(SHISEIDO)
Kimono Dresser: Eriko Otake
Logo / Graphic Design: Kentaro Yamasaki(NO DESIGN)
http://www.korishow.com
email:info@korishow.com
KORI-SHOW
PROJECT
SPRING/SUMMER
2021COLLECTION
“うつつ”
Artificial Intelligence for KIMONO
Series 1 “Shape”
Through
Past and Present
“うつつ=現つ/虚つ“
かつての日本のあたりまえの暮らしは、着物と共にあった。
長い時間を積み重ねて、日本人に合う寸法と作りやすさを熟考し、
合理的に作られた着物は、余すところなく
何年も使い続けられるエコロジーな魅力を備える一方で、
ただの”着る物”という文字通り
羽織って結べば誰でも纏える、とても簡単な装いだった。
そんな装いに礼法に基づく
細かなルールが加えられたのは、戦後のこと。
少しでも高価な着物を販売する手段として厳格なルールが定められ、
ただの”着る物”から大袈裟な”着物”へと人為的に変えられてしまい、
欧米のファッションの台頭も相まって、
今の暮らし(=ケ)とは異なる、
特別な日(=ハレ)の為の装いになってしまっている。
パターンやデザインに大きな変化もなく
千年以上も日本の暮らしに寄り添ってきた着物が、
たった数十年で自分たちの日常から掛け離れてしまった要因は
単に生活の変化だけでは無いはずだ。
かつての呉服業界が論語をおざなりにし、
算盤を取るため投じた”特別な装い”という
”ムード”の影響はとても色濃く我々の前に横たわっていて。
頭では理解している自分自身でさえも、
伝統装束といった、ヒストリーの価値を理解しても、
素材/製法といった、モノの価値を理解しても、
“肉で着る”西洋の服とは異なり、”骨で着る”思想の価値を理解しても、
まだ、日常で着れないでいる。
しかし、
もしもそんな”ムード”を払拭し、
かつての時代の装いとシームレスに繋げられたら。
自分たちの暮らしに、
どんな美しい”佇まい”が宿っているんだろう。
そんな妄想を現実に変えていくために。
まずは着物にはびこる謂れのない”ムード”を払拭するために。
今と昔の着物の”佇まい”を可視化する為の映像作品を製作した。
コレクションの舞台は、
茶室を起源とし、現代の住まいにも通じる四畳半の部屋の中。
この部屋を舞台に、
芸者/モデルが髪を結わえ、着替え、日々を暮らす佇まいを、
ヘアメイク/フィッティング/コレクションに見立て、ショーとして表現する。
着物は、シワが気にならない縮緬調の絹/麻混のオーガニックコットンを
対丈で仕立てたルームウェアとしての着物”YOGI”。
伝統図案を現代的なコンセプトで再解釈したユニークな絵柄は、
京都の老舗染工場で手捺染で丁寧に施している。
この”YOGI”に合わせた個性的な洋服は、
文化服装学院の資料室から特別に拝借した、
日本独自のファッションが台頭した70年代〜現代までの
錚々たる日本人デザイナーのvintageアイテム。
着物が当たり前に存在し続けている世界線に想いを馳せ、
時代に応じたトレンドがシームレスに繋がるようコーディネートした。
着物が当たり前に存在した、過去の所作を表現するモデルは
日本で最大の流派を誇る日本舞踊花柳流師範、”花柳凛”。
着物に全く触れていない、今の所作を表現するモデルは
現代のアイコン、”モトーラ世理奈”。
それぞれの時代に応じた2人の所作を
(別の世界線として断絶することなく)
今と地続きに繋げるため、
”Ittan”のディレクションによるAI(機械学習)で両者をシームレスに接続した。
この接続は映像効果としての表現(=モーフィング)では無く、
事実を客観的に捉えるAI(機械学習)が可視化した接続の様子であり、
過去も今も変わらない着物の”佇まい”の魅力が宿っている。
世界的な脅威であるCOVID-19の拡大により、
大きくファッションも変容した。
新しさを求め、速さを競い、短期的な消費を過剰に促す
ファスト・ファッションの時代はとうに終わり、
社会を形成する様々な物事を長期的な視座で捉える、
サスティナビリティが重視される昨今。
今こそ過去を見つめ直し、伝統文化を持続可能にする、
ファッションの可能性に手を伸ばしたいと思う。
いつだって過去は”前”にある。
Fashion Direction: Sota Yamaguchi
AI Direction/Spatial Architect: ittan
Movie Direction: maxilla
Still Photograph/Lighting: toki
Music: Moeka Shiotsuka
Model(Past): Rin Hanayagi
Model(Present): Serena Motola
Hair Styling & Makeup: Hirofumi Kera(SHISEIDO)
Kimono Dresser: Eriko Otake
Logo / Graphic Design: Kentaro Yamasaki(NO DESIGN)
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email:info@korishow.com